疲れていて余裕がない時ほど子どもに優しくした方がいい、という話。

こどものこと

その日はひどく疲れていたんです。
朝から会社に行って、19時に帰宅。電車はとても混んでいたし、家までの道のりの気温は暑くて体は汗でベタベタ。体調もあまり良くありませんでした。

私はこんな日こそ子どもに優しくすると心に決めています。

いえ、これまでの経験から、こんな日こそ優しくしないといけないと分かっています。

新米ワーキングマザーだった私は、かつて仕事で疲れたイライラを子どもにぶつけてしまったこともありました。そしてなぜか子どもは私の不機嫌を察知して、不機嫌を自分のものとしてぶつけ返してくるのです。こうなるともう、全てがうまくいきません。

大喧嘩の末、大泣きしてさらに疲れて、挙句の果てには寝る時間が遅れに遅れ、翌朝まで後悔を引きずるなんてこともしばしば。そして私には一緒に子どもを見ててくれる人もいなかったので、いつも一人ぼっちの戦いでした。

でもある日、そもそも私の機嫌が良い日にはこんなことにはならないということに気づいたのです。それならば、疲れていて少しでも早く寝たい日にはいつもよりも機嫌良くしてみよう。

冒頭のひどく疲れた日、私はふわふわと笑いながら
「ただいまー。つかれたー!」
と、子どものいるリビングに辿り着きました。

機嫌は良くしているつもりですが、疲れている私はソファーに傾れ込んだまましばらく動けません。
すると息子(9歳)がさっと立ち上がり、キッチンに行って、炊いておいてくれたご飯を茶碗に盛り、私が朝用意していたおかずを皿に盛って、お茶とお箸を用意してくれました。
「ぼくはもう食べたから、ママも食べな。あ、ひとりだと寂しいだろうからぼくも少し食べようかな」
そう言って自分の分も用意して。

優しくされると、疲れは取れてトゲトゲしていた心は丸くなります。
きっと私がイライラをぶつけていたらこんなに優しくはしてくれなかったでしょう。
優しくしてくれたこと、頼もしく育ってくれたことに感謝して、ああ、やっぱり八つ当たりしなくて良かった、そう思った夜でした。

タイトルとURLをコピーしました